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家族のための『生前整理』、トラブルを避けるためにするべきことは?

 

終活をはじめるにあたり、『生前整理(せいぜんせいり)』という言葉をよく目にする機会も増えてきたと思います。

生前整理とは主に自分の死後や高齢になったときに備え、身の回りの物や資産を整理することを指します。

 

そう聞くと皆さん「うちにはそんなに資産がないから関係ない」と思う方もたくさんいますが、実際の統計では遺産相続にかかわるトラブルは数百万円〜数千万円の資産で起こりやすいというデータがあります。

またお金に関する資産だけでなく、不動産や事業資産・株式や知的財産などの無形資産も分配が難しい事からトラブルになりやすく、こうした問題は事前に遺言書を作成したり、相続についての話し合いを行ったりすることが重要です。

 

しかし遺族の間で起こるトラブルの原因は相続や財産分与だけではありません。

自分の意図しないところで残された遺族は負担にかかり、結果トラブルに繋がるケースも多々あります。

 

 

遺品整理業者から見た、遺族に起きたよくあるトラブル

遺品整理中の様子

 

わたしたち遺品整理業者は遺族の方から依頼され、作業を行います。

その内容はさまざまですが、その作業の中で見つかり、遺族の方が悩ませるトラブルをご紹介します。

 

 

土地の権利書が見つからない

残された資産として相続した土地や家を売ろうと考えた時、まず一番に土地の権利書を探します。

しかし、ご遺族のうち多くの方が「権利書がどこにあるのかわからない」という理由で、弊社に別途捜索作業を依頼される場合もあります。

最寄りの法務局で再発行することも可能ですが手数料がかかることもあり、また結果遺族の手間をかけてしまうことになります。

できれば権利書は保管している場所をきちんと決め、信頼でき尚且つ相続にかかわる方に事前に相談しておくべきでしょう。

 

 

遺言書が見つからない

相続は通常、相続人が被相続人(亡くなった人)の死亡を知った時点から始まります。

遺言書があれば遺産の分配などは書かれているとおりですが、困った事に「あるはずの遺言書が見つからない」という問題も多々あります。

故人が生前に遺族に対して遺言書を作成したことを伝えているにもかかわらず、肝心な遺言書が探しても見つからないとなるとトラブルにつながりやすく、相続争いに発展する場合もあります。

 

こうした事態を未然に防ぐためにも遺言書の作成はもちろん、きちんとした専門家に相談し、公証人役場に保管をするなどの手続きを済ませておきましょう。

 

 

土地や建物の所有者や賃借人をはっきりさせる

とくに田舎などで飛び地や広い土地を所有している方に多いケースです。

近隣の住民同士で共同使用を許可していたり、口頭での約束のみで使用を許可しているなど、きちんとした契約を交わさなかったために遺族が困ってしまうことがあります。

「誰にどのような契約の内容で貸しているのかわからない」という遺族の方が多く、また場合によっては利用者の所有物のため処分したくてもできないという相談を受けたこともありました。

 

また相続してから敷地と建物の名義人が異なることが判明したため、売却に手間がかかったり、所有者同士で売却金額の配当トラブルに生じたなどのケースもあります。

 

遺族としても近隣住民や遺族間以外でのトラブルの原因になることは避けたいため、できれば生前のうちに解決できることは解決し、より明確にわかるようにしておきたいところです。

 

 

家財が多く、処分が大変

一軒家を所有し住んでいる方が亡くなった場合、その後の家の面倒を見る事になるのは相続した遺族です。

しかし部屋の中に物が多かったり、壊れた家具や家電をそのままにしていたりすると、その分の負担はすべて残された遺族にかかってしまいます。

生前整理はそういった遺族の負担を減らすためにも行うべきであり、また自分自身にとっても老後に快適な住まいで生活をするためには必要な作業です。

 

また住まいが賃貸物件などの場合は大家から退去時に修繕やクリーニング作業代金を請求される場合もあり、部屋の状態によっては高額となるため、注意が必要となります。

そうした問題はすべて遺族の負担となってしまいますので、「自分の子供たちに迷惑をかけたくない」と考えている方はなるべく生前整理を行っておくべきでしょう。

 

 

高齢化社会と切り離せない『孤独死』という社会問題

 

日本は2020年に高齢者割合が29.1%となり、2030年31%を超える見込みとなっています。

すでに2010年代には超高齢化社会に突入しており、それに伴って社会問題化している『孤独死(こどくし)』の割合も増加傾向にあります。

孤独死増加の要因はこの高齢化によって高齢者の1人暮らしが増加しているだけでなく、核家族化による影響も多くあり、高齢者の孤立化やそれによる精神・健康状態の悪化などさまざまな問題がかかわっています。

また高齢者のひとり暮らしは体が自由に動かないストレスや精神的な不安により片付け作業が上手くできず、部屋がゴミ屋敷になってしまう傾向も多く見られます。

 

弊社で取り組んだ遺品整理作業の中にも孤独死した部屋の残置物撤去や清掃を行ったケースも多くあります。

孤独死の問題は遺族側への精神的負担だけでなく、汚染除去やクリーニング・家具の撤去などの金銭的な負担も大きいです。

また処分する家財道具が多ければ多いほど、生前整理などの終活を行っていなかったために相続に関する書類や品物が見つからないなどのトラブルがあるほど、不満や負担などのは多くのしかかってきます。

 

さまざまな自治体もそうした社会問題を解消するために福祉サービスや取り組みを行っていますが、遺族の負担を減らすため、自分自身に出来ることを身近なところから解決していくことが大切です。

 

 

家族のために出来ること、やっておくべき生前整理とは

 

終活において生前整理を行う時、「自分の子供たちに迷惑をかけたくないから」という理由が片付けや仕分け作業を行うきっかけとなる方が多いと思います。

では先述したトラブルを踏まえて、生前整理で行っておくべきことはどんなことなのかを遺品整理業者の目線と経験から挙げていきます。

 

    • 不動産などの自分の資産がどのくらいあり、いくらになるのかを事前に調べる
    • 要らない家具や壊れた家電製品はすぐに処分する
    • 相続にかかわるものや大切な書類は適切な場所で管理する
    • ゴミ屋敷化を防ぐために必要なものと不要なものを仕分けをし、生活環境を綺麗にする

 

大切な事は将来の今後の分が生活しやすい環境にすることと、遺族が遺品整理を行う時になるべく負担にならないようにすることがポイントとなっています。

自分ひとりではすべての作業は行えなくても、子どもに相談したり、自分たちで出来ないことは業者に頼むなどして一つずつ問題を解決していきましょう。

 

 

まとめ

 

生前整理とは自分に残された時間のあいだ、家族や大切な人のために行動し、自分らしい穏やかな時間を過ごすための準備です。

そして残された家族にとってもその人が亡くなった後、トラブルなく、故人との思い出や悲しい気持ちに素直を整理する時間を過ごしたいと思います。

 

私たちはいつ病気にかかるか、自分の体が思うように動かなくなるかはわかりません。

そしてそのリスクは年齢とともに徐々に高まっていきます。

 

終活や生前整理は誰でもいつか考えなければならなくなるタイミングがあります。

まだ健康に過ごせるうちに考え、やれることを少しずつ行い、穏やかで自分らしい時間を過ごしましょう。

 

 

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